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横浜市の公営斎場4か所を徹底比較
久保山・南部・北部・戸塚——どこを選ぶかで、葬儀の印象が変わる

株式会社ディライト 葬祭ディレクター監修
横浜市の公営斎場での葬儀の様子

横浜市には公営斎場が4か所ある。久保山・南部・北部・戸塚——いずれも横浜市が運営する施設だが、所在地・式場の有無・収容規模・アクセスはそれぞれ異なる。どこを選ぶかによって、参列者の動きやすさも、葬儀全体の費用感も変わってくる。このコラムでは、現場で案内を重ねてきた経験をもとに、4つの斎場の違いと選び方を整理してお伝えする。

横浜で斎場選びに迷う方が増えている理由

横浜市は人口370万人超を抱える政令指定都市だ。市内18区にわたる広大なエリアに対して、公営斎場は4か所しかない。つまり、同じ「横浜市」に住んでいても、自宅から最寄りの斎場まで車で30分以上かかるというケースは珍しくない。

さらに近年、家族葬の普及により「なるべく小さく、身内だけで送り出したい」という希望が増えている。その際に問題になるのが、式場規模の適合だ。横浜市の公営斎場は施設によって式場の収容人数が大きく異なり、少人数の家族葬には広すぎる場合もある。

加えて、公営斎場は人気が集中しやすく、希望日に予約が取れないこともある。特に土日・祝日・友引明けは稼働率が高く、葬儀社に相談したタイミングで「第一希望は空いていない」と告げられるケースも少なくない。

こうした背景から、「どの斎場を選ぶべきか」という相談が増えている。斎場選びは「近いから」「安いから」だけでは判断できない。本コラムで、各施設の特徴と選択の軸を整理しておきたい。

4つの斎場、エリア別の案内指針

まず前提として知っておいていただきたいことがある。横浜市の公営斎場は、故人が横浜市に住所を持っていれば、どの施設でも利用できる。「戸塚区に住んでいるから戸塚斎場だけ」ということはなく、参列者のアクセスや希望の式場規模によって自由に選択できる。

北部斎場——緑区・青葉区・都筑区方面の方に

横浜市北部斎場(横浜市緑区長津田町5125番地1)は、JR横浜線・東急田園都市線「長津田駅」南口から車で約10分の位置にある。駐車場は合計168台分と4施設中最大規模で、郊外型の葬儀参列に慣れた方には使いやすい構成だ。

式場は100席規模のホールが4室、さらに隣接する2室を連結して利用できる設計になっている。大人数の一般葬にも対応できる一方、家族葬・一日葬での利用にも対応している。青葉区・都筑区・緑区方面にお住まいの方には最も現実的な選択肢になることが多い。

「長津田周辺にお住まいで参列者も近隣が多い場合、北部斎場は迷わずおすすめできる。駐車場の広さも安心感につながります」

南部斎場——金沢区・港南区・磯子区方面の方に

横浜市南部斎場(横浜市金沢区みず木町1番地)は、横浜横須賀道路「朝比奈IC」近くに位置する。京急線「金沢八景駅」からバスで約10分(隧道東口下車)、または「金沢文庫駅」からタクシーで約15分というアクセスだ。駐車場は普通車64台・バス10台と整備されている。

式場は1階(最大50席)と2階(最大80席)の2室を備え、家族葬〜一般葬まで対応できる構成になっている。火葬場も10炉を有し、複数の葬儀が並行して行われる大規模施設だ。金沢区・港南区・磯子区にお住まいの方にとってはアクセスが最も良く、自然な選択肢になる。

「栄区や磯子区から南部斎場を選ばれる方も多い。地形上、車でのアクセスが現実的なエリアのため、駐車場の確保しやすさも評価されています」

久保山斎場——西区・中区・神奈川区方面の方に

横浜市久保山斎場(横浜市西区元久保町3番1号)は、市の中心部に最も近い公営斎場だ。京急線「黄金町駅」・JR根岸線「桜木町駅」からタクシーで約10分圏内というアクセスの良さから、遠方からの参列者が多い葬儀でも集まりやすい。

ただし、久保山斎場には葬祭ホール(式場)がない。火葬場のみの施設であるため、通夜・告別式を行う場合は近隣の民営式場や寺院を別途手配することになる。この点は他の3施設と根本的に異なる特徴であり、利用前に必ず確認が必要だ。

直葬(火葬式)や、式は別会場で済ませた後の火葬のみの利用であれば、久保山は中心部へのアクセスの良さが大きなメリットになる。西区・中区・神奈川区方面にお住まいで、参列者も市内中心部に多い場合は第一候補として検討できる。

戸塚斎場——戸塚区・泉区・瀬谷区・旭区方面の方に

横浜市戸塚斎場(横浜市戸塚区鳥が丘10番地の5)は、JR・市営地下鉄「戸塚駅」西口から路線バス(戸79系統)で約9分・「戸塚斎場前」下車という公共交通アクセスが整っている。駐車場は約45台分。

式場は1階・2階に各1室(64席)を備え、30名規模の家族葬から200名程度の一般葬まで対応できる。火葬炉は6基。戸塚区・泉区・瀬谷区・旭区方面にお住まいの方にとっては最も現実的な選択になることが多く、小規模から中規模の葬儀に幅広く対応できる施設だ。

「戸塚周辺は高齢の参列者が公共交通機関を使うことも多い。バス路線のアクセスが明確であることが、安心感につながっています」

式の規模で選ぶ場合の考え方

「どの斎場を選ぶか」という問いに対して、居住エリアと同じくらい重要になるのが「参列者の規模」だ。以下の視点で整理してほしい。

少人数の家族葬(10〜30名程度)を考えている場合

家族葬を希望されている場合、戸塚斎場・南部斎場がバランスが良い選択肢になりやすい。どちらも式場1室あたり50〜80席規模で、少人数でも広すぎず、白装束の祭壇が会場のすべての席を埋め尽くすような圧迫感を感じにくい。

北部斎場も家族葬に対応しているが、式場が100席以上と大きいため、少人数だと会場に「空気」が多く残る。使い方を葬儀社と相談することで自然な雰囲気を作ることはできるが、会場の縮尺感にこだわりがある場合は事前確認を勧めたい。

久保山斎場は式場がないため、家族葬の「式」を行う場合は別の場所が必要になる点を忘れないでほしい。

一般葬(50名以上)・社葬を考えている場合

大規模な葬儀であれば、北部斎場の式場連結対応(最大200席超)は選択肢として強い。南部斎場・戸塚斎場も64〜80席規模の式場を持ち、一般的な一般葬には対応できる。

ただし公営斎場は式場に対するカスタマイズの自由度が民営に比べて低い傾向がある。社葬や大型の告別式で「会場の演出にこだわりたい」という場合は、民営の葬儀ホールを別途検討することも一案だ。

直葬(火葬のみ)を考えている場合

直葬・火葬式の場合、式場の有無は関係なく4か所いずれも利用できる。この場合はアクセスと予約の取りやすさを優先して選ぶのが合理的だ。中心部へのアクセスが良い久保山斎場を選ぶ方も多い。

実際にご利用された方からよく伺う声

現場での案内を通じて、よく伺うエピソードをふたつご紹介する。いずれも個人が特定されないよう再構成したものだ。

「北部斎場は駐車場が広くて助かりました」(60代・緑区在住)

高齢の参列者が多く、公共交通機関の利用が難しい方が数名いたというケースだ。「車で来られた方が多く、北部斎場の駐車場の広さに救われた」というお声をいただいた。168台分の駐車スペースは、郊外型の斎場として理にかなっている規模であり、こうした状況では特に実感しやすいメリットだ。

一方で「バスのアクセスが少し分かりにくい」という声もある。長津田駅からのバス・タクシーのルートを、事前に参列者への案内状に記載しておくことをお勧めした。

「戸塚斎場は式場の雰囲気が落ち着いていた」(50代・戸塚区在住)

家族葬を希望されていたご家族で、式場の大きさに対して参列者が少なすぎないか心配されていた方のケースだ。「実際に入ってみると、64席の式場が適度な規模感で、家族だけで囲むのにちょうどよかった」とおっしゃっていた。公営斎場は「冷たい印象があるかと思っていたが、意外に落ち着いた雰囲気だった」という感想もよく伺う。

葬儀社のスタッフとの連携もスムーズで、慣れた葬儀社が入ることで進行がとても自然だったとおっしゃっていた。

後悔しない斎場選びのために

最後に、斎場選びで実際に迷われた方に共通する「気をつけてほしいポイント」を整理しておく。

1. 「とりあえず久保山」は思い込みかもしれない

横浜市内で知名度が高い久保山斎場だが、式場がない施設であることを知らずに「久保山を頼めばいい」と考えている方が少なくない。通夜・告別式を含む葬儀を想定している場合は、式場を持つ他の3施設を検討するか、久保山の火葬と組み合わせる式場を別途手配する必要がある。

2. 予約は「希望日の10日前」から逆算して動く

横浜市の公営斎場は繁忙期に予約が集中する。土日・友引明け・年末年始は特に早く埋まる傾向がある。「亡くなってから相談」では遅い場合もあるため、信頼できる葬儀社とあらかじめ相談し、いざというときの連絡先と段取りを決めておくことを強くお勧めする。

3. 参列者の「移動しやすさ」を最優先にする

「自宅から一番近い斎場」が必ずしも正解ではない。参列者の多くが住むエリアや、電車・バス・車のアクセスを考慮した上で判断すると、当日の混乱が少なくなる。特に高齢の参列者が多い場合は、公共交通機関のルートが明確かどうかを確認してほしい。

4. 費用は「斎場使用料」だけで判断しない

公営斎場は施設使用料が抑えられているが、葬儀全体の費用は葬儀社のプラン・返礼品・飲食・お布施などを含む総額で比較する必要がある。同じ斎場を使っても葬儀社によって総額に差が出ることがある。複数の葬儀社に相談することで、適切な費用感をつかむことができる。詳細は各斎場または担当の葬儀社にご確認ください。

5. 不明な点は早めに葬儀社に相談する

「急いで決める必要があるか分からない」「まだ先の話だから」と思っているうちに、いざという場面で慌ててしまうことが多い。葬儀社への事前相談は無料で行っているところがほとんどだ。元気なうちに一度相談しておくことが、後悔しない葬儀への最善の準備になる。

まとめ——迷ったら「エリアと規模」で絞り込む

横浜市の公営斎場4か所は、それぞれ異なる立地・設備・規模を持っている。選択の基本軸は次の通りだ。

  • 北部斎場:緑区・青葉区・都筑区方面。大規模対応・駐車場168台
  • 南部斎場:金沢区・港南区・磯子区方面。式場2室・火葬10炉
  • 久保山斎場:西区・中区・神奈川区方面。式場なし・火葬専用(直葬向き)
  • 戸塚斎場:戸塚区・泉区・瀬谷区・旭区方面。家族葬〜一般葬まで対応

どの施設を選ぶかで変わるのは「費用」だけではない。参列者の動きやすさ、当日の進行のしやすさ、式場の雰囲気も含めて、ご家族全体にとって最善の選択をしていただきたいと思う。

不明な点・迷っていることは、ぜひ一度ご相談いただきたい。当サイトでは横浜市内の斎場選びについても、葬儀社選びについても、お気軽にご質問いただける窓口を設けている。

斎場選び・葬儀費用・予約の取り方など、どんな小さな疑問もお気軽にどうぞ。

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4施設の基本情報一覧

以下は取材時点の情報をもとにまとめた基本情報です。料金・設備の詳細は変更される場合があるため、最新情報は各斎場または担当葬儀社にご確認ください。

斎場名 所在地 式場 火葬炉 駐車場 主な対象エリア
北部斎場 緑区長津田町5125-1 100席×4室(連結可) あり 約168台 緑区・青葉区・都筑区
南部斎場 金沢区みず木町1 50席(1F)・80席(2F) 10炉 普通車64台・バス10台 金沢区・港南区・磯子区
久保山斎場 西区元久保町3-1 なし(火葬専用) あり あり 西区・中区・神奈川区
戸塚斎場 戸塚区鳥が丘10-5 64席×2室 6炉 約45台 戸塚区・泉区・瀬谷区・旭区

※火葬料金は横浜市民(市内住所の故人)の場合10歳以上12,000円(2026年時点)。市外の方は別途料金が発生します。最新料金は各斎場にご確認ください。

よくある質問

横浜市の公営斎場は何か所ありますか?

2026年時点で4か所あります。久保山斎場(西区)、南部斎場(金沢区)、北部斎場(緑区)、戸塚斎場(戸塚区)です。いずれも横浜市が運営していますが、久保山斎場は式場(葬祭ホール)を持たない点が他3か所と大きく異なります。

横浜市民と市外在住者では料金が違いますか?

はい、異なります。故人が横浜市内に住所を持つ場合、火葬料金が優遇されます(10歳以上12,000円など)。市外の方は別途料金が設定されています。亡くなった方の住所が基準になるため、喪主の住所ではなく故人の住所でご確認ください。詳細は各斎場または葬儀社にお問い合わせください。

家族葬を行うなら、どの斎場が向いていますか?

戸塚斎場(64席)・南部斎場(50〜80席)は式場が家族葬の規模感に合いやすい施設です。北部斎場は式場が100席以上と大きいですが、家族葬での利用にも対応しています。久保山斎場には式場がないため、通夜・告別式を行う場合は別途会場が必要です。

希望の斎場が予約できなかった場合はどうすればよいですか?

葬儀社が他の市営斎場の空き状況を確認してくれます。横浜市は市内在住の故人であればどの市営斎場でも利用できるため、第二・第三候補を事前に決めておくとスムーズです。葬儀社に「第一希望はここ、取れなければ別の市営斎場で」と伝えておきましょう。

公営斎場と民営葬儀ホールはどちらが安いですか?

一般的に公営斎場のほうが施設使用料は抑えられる傾向があります。横浜市民の場合、火葬料金も優遇されます。ただし葬儀総費用は葬儀社のプラン・返礼品・飲食費なども含むため、斎場の種別だけで費用が決まるわけではありません。複数の葬儀社に見積もりを依頼することをお勧めします。

斎場の見学はできますか?

葬儀が行われていない時間帯に、葬儀社を通じて見学できる場合があります。事前に施設の雰囲気を確認しておくことで、当日の不安を軽減できます。元気なうちに「終活」の一環として見学される方も増えています。まずは葬儀社にご相談ください。